ソフトウェアの中には必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたSaaS(Software as a Service)という提供形態があります。
SaaSという提供形態を選んだ企業は同じサービスをずっと開発・運用していくことが求められます。
私はトレタというスタートアップでバックエンドエンジニアとして2年間勤務しています。飲食店向けのSaaSを開発・運用することは顧客にお金を払っていただくために、顧客の大きな課題に真摯に取り組むことになります。
この記事では、創業して5年が経った飲食店向けSaaSの会社で解決してきたことや、考えてきたことについてバックエンドエンジニアという視点から、泥臭いサービス開発の現場についてお伝えしていきます。
SaaSを販売・運用・開発するためのチーム構成
トレタは飲食店の予約・顧客台帳という「業務ツール」を開発しています。そのため、「サービスを売る」「契約してサービスを導入してもらう」「開発する」「導入していただいた後にサービスを上手く使ってもらう」など顧客のための様々なアクションが存在します。各工程によってチームが分かれているので、私から見た特に関わりが深いチームを紹介します。
セールスチーム
まだサービスを導入していない飲食店の方々に会って商談し、契約を交わすまでに責任を持ったチームです。この職種はほとんどの会社に存在すると思うのでイメージがつきやすいと思います。
カスタマーサクセスチーム
SaaSビジネスは顧客にサービスをできるだけ長く使っていただいたほうが収益が上がります。そのためには、サービスを使っていただいて顧客の課題が解決され、顧客の満足度を上げなければいけません。このチームはサポートチームとは全く別のチームとして存在し、サービスを導入していただいた店舗に対して、サービスを上手く使ってもらうためのあらゆる施策を行うチームです。
カスタマーサポートチーム
顧客からの問い合わせに対して1次受けとして対応するチームです。顧客向けドキュメントの整備や、そもそも問い合わせを発生させないようにするにはどうするべきかなどの施策を考えます。カスタマーサポートチームで解決できなかった問い合わせやバグの疑いがあるものは、エンジニアにエスカレーションされます。
開発チーム
サービスを開発・運用するチームです。エンジニア・デザイナー・プロジェクトマネージャー・事業開発などが所属します。
私から見た視点のチーム紹介になりますが、実際はもっと他にたくさんのチームが存在し、細分化されています。飲食店向けSaaSの面白いところは、ただ開発してサービスを公開すれば誰かが契約してくれるというわけではないところです。様々なチームが協調した結果、顧客がサービスを契約し、価値を感じていただけるところにあると思います。